WX5(WX11)とVL70-mでT-SQUAREのOMENS OF LOVEを吹こう!
ウィンドシンセの超有名曲といえばやはり「TRUTH」ですが、「OMENS OF LOVE」も甲乙付けがたく有名な曲です。
オリジナルはリリコンにアナログシンセを繋ぎ、各種のエフェクタを通した音を使用しています。
泉氏の美しいメロディラインに、アナログ特有の太くて温かい音で歌うような伊東氏の演奏。
本当に良い曲です。
このコーナーでは、YAMAHAのウィンドシンセスティック「WX」1本(WX5/WX11/WX7)と、YAMAHAのバーチャルアコースティック音源「VL70-m」1台のみという無謀な環境で、OMENS OF LOVEを再現してみようというわけですが・・さてどうなることやら。
■音色制作
というわけでまずは音色から作っていきます。
TRUTHに比べると、リバーブやコーラスが浅く、オートビブラートもかかっていないようです。
比較的素直な音といえるのではないかと思います。
| EDIT-CONTROL |
| PB Ctrl |
+03 |
| PB LowCtrl |
-03 |
| Exp Mode |
BC |
| Fil CC No. |
02 |
| FilCtrlDpt |
+127 |
| Fil Curve |
+04 |
| Amp CC No. |
02 |
| AmpCtrlDpt |
+127 |
| AmpCurve |
+00 |
|
| EDIT-FIL&EG |
| CutoffFreq |
-36 |
| Resonance |
+01 |
| FilEG Dept |
00 |
| Bass |
+05 |
| Treble |
-18 |
| Attack Time |
-16 |
| Decay Time |
+20 |
| ReleaseTime |
+00 |
|
| EDIT-OTHERS |
| Vib Rate |
+00 |
| Vib Depth |
+00 |
| Vib Delay |
+00 |
| Mono/Poly |
Mono |
| Porta Mode |
Full |
| Porta Sw |
on |
| Porta Time |
000 |
| Voice Name |
OmenLd |
|
| EFFECT-REV |
| Type |
ROOM 2 |
| ReverbTime |
1.5 |
| Diffusion |
10 |
| InitDelay |
05 |
| HPF Cutoff |
Thru |
| LPF Cutoff |
Thru |
| Rev Pan |
C |
|
| EFFECT-CHO |
| Type |
CHORUS 1 |
| LFO Freq |
0.08Hz |
| LFO PM Dpt |
054 |
| FB Level |
+13 |
| Delay Ofst |
106 |
| Cho Pan |
C |
| SendCho→Rev |
032 |
|
| EFFECT-VAR |
| Type |
DELAY LCR |
| Lch Delay |
333.3 |
| Rch Delay |
166.7 |
| Cch Delay |
500.0 |
| FB Delay |
500.0 |
| FB Level |
+10 |
| Var Pan |
C |
| SendVar→Cho |
060 |
| SendVar→Rev |
060 |
| VarConnect |
SYS |
|
| EFFECT-DISTORTION |
| Type |
3-BAND EQ |
| Low Gain |
+00 |
| Mid Freq |
4.5k |
| Mid Gain |
-8 |
| Mid Width |
1.0 |
| High Gain |
+06 |
| Dist Part |
on |
|
| 各エフェクタゲインレベル(ALL) |
| Revrtn |
64 |
| Chortn |
64 |
| Varrtn |
64 |
|
| 各エフェクタセンドレベル |
| Revsend |
60 |
| Chosend |
20 |
| Varsend |
42 |
|
こんなかんじ↑です。
元にしている音色は、TRUTHと同じくPr1内にある102番の「Brassyn」です。
リップによるピッチベンドの幅は、デフォルトでは+2半音なのですが、少し表現力に欠ける気がするので+3にしています。
これは個人の好みで変えてください。(EDIT-CONROL内のPB Ctrl項目です)
TRUTHリードと同じく、リバーブのフィルターは完全に素通しにしています。
ローパスがデフォルトのままだと高音域がペラペラになります。
バリエーションはディレイで使用しています。
エンベロープは、VAでこの手の音を作るときは王道パターンです。
アタックレートを大きく削ってファストディケイを伸ばし、リリースレートをブチ切ります。
コーラスのLFOは0.08Hzです。
デジタル音源の音の薄さをカバーする目的で使用しています。
ディストーションは3バンドEQで使用しています。
そして重要な点。
この音色を使って曲を吹くときに、最も大切なことがあります。
それは、WX5の運指切り替えディップスイッチを「サックス(c)」にしてはいけないということです。
この設定にしていると、換え指を使ったときにWX5が勝手にフィルタをコントロールしてしまい、期待通りの音にならないことがあります。
私は「サックス(b)」の設定で吹いています。
WX11を使っている人は、特に意識する必要はありません。
■マイナスワン音源の入手
例によってマイナスワン音源(いわゆるカラオケデータ)を入手しておかなくてはならないのは言うまでもありません。
楽譜を買って打ち込むなり、市販のMIDIデータを購入するなり、T-SQUAREのCDをボーカルキャンセラーを通して再生するなりしてください。
サンプルデータのマイナスワンは、打ち込みMIDIデータをSC-88で再生しています。
ソフトシンセの性能も上がってきていますので、PC1台あればハード音源が無くても十分な音質が手に入る時代になりました。
すごいですね。
■というわけで吹いてみよう!
WX5もWX11もWX7も、奏法に関するものは共通ですので、同じように読んでいただいて構いません。
■Aメロ

始めはやはり大切。
伊東氏のタンギングは柔らかく温かみがあります。
「トゥ」ではなく、「ヌ」や「ル」に近い感じで。
キーオンと同時にベンドダウンする箇所がいくつかあります。
こういったところはリリコンならではの演奏ですので、リリコンの血を引いているWXのほうがEWIよりも再現できます。
私が吹いたサンプルはこちら [MP3]。ご参考までに。
※いきなりミス発覚。「LIRICON」ではなく「LYRICON」が正しいスペルです( ̄□ ̄;)
■Bメロ

楽譜通りに律儀に吹くと、どうしてもCDのようになりません。
8分音符で同じ音が続く箇所などは、「ヌ」よりも柔らかいタンギングで、ほとんどタイのようなイメージで演奏していいくらいだと思います。
私が吹いたサンプルはこちら [MP3]
■サビ


このメロディーは、ほとんどがシンコペーションになっています。
なので裏拍が確実にとれないと、すぐにリズムが狂ってしまいます。
ちなみに私は裏拍が苦手です(>_<)
私が吹いたサンプルはこちら [MP3]
■中間ソロ
安藤さんには悪いですが、せっかくなので遊びましょう(笑)
ウィンドシンセならではの演奏で。(といいつつ、民族系パイプの吹き方ですね、これは^^;)
私が吹いたサンプルはこちら [MP3]
■ラスト
ここも中間ソロと同じく、遊びましょう(笑)
私が吹いたサンプルはこちら [MP3]
といったところで、いかがだったでしょうか。
この曲はシンプルゆえに、とても難しい曲です。
ひたすら練習あるのみ・・です。
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