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NAS


NAS(LAN HDD / ネットワークハードディスク)は何故デフラグできないのか

BuffaloのLink StationなどのNASは、デフラグしたくてもその機能がない。デフラグするためのソフトも見あたらない。
結論から言うと、こういったNASに対してはデフラグを意識する必要はない。
NASにはLinux系ファイルシステムが採用されていて、このファイルシステムはフラグメントがおきにくい仕組みになっているので、慣習としてデフラグが存在しない。
Windowsのようにディスクの先頭からギチギチに詰めてファイルを配置するのではなく、ディスク上に点在させる感じで配置するのがLinux系ファイルシステムの特徴だ。
Windowsからしてみれば、常に隙間だらけであり、「空き領域のフラグメント」を意図的に起こしているイメージ。
つまり「ファイル単位のフラグメント」は起きにくいが、「空き領域のフラグメント」は常に起きていると言える。
Windows的に言えば、「常に隙間がある」わけで、その状態を視覚化するとWindowsユーザーは「隙間を詰めたい!デフラグしたい!」と思うだろうが、それはWindowsユーザー特有の病気みたいなものだ。
ソースネクスト社の驚速デフラグ的に言えば、ファイルを書き込んだり削除したりする度に「ステルスデフラグ」が働いているようなイメージで、「スペースデフラグ」はできない状態となる。
仮にLinux系ファイルシステムに対して無理矢理「スペースデフラグ」を行った場合、フラグメントが大量に発生するきっかけを作ってしまうため逆効果になる。
そういったわけで、NASに対してはデフラグを行う必要が無い。(というよりむしろデフラグを行ってはならない)
もちろんLinux系ファイルシステムが完璧というわけではないので、HDDの空き容量が無くなってくるとファイルのフラグメントを発生せざるを得なくなり、結果的にフラグメントは発生してしまう。(空き容量が少ないときに、その空き容量を全部埋めるような大きなサイズのファイルを書き込んだときに起きやすいが、そのファイルを削除すれば同時に解消される)
ただWindowsファイルシステムに比べると、フラグメントの度合いがまったく異なるということであり、実用上NASの寿命まではデフラグの必要はない。
頻繁なデフラグが必要なのはWindowsファイルシステムの悪い点のようにも思えるが、Linux系ファイルシステムに比べると、デフラグを終えたばかりのWindowsファイルシステムのほうが平均的なアクセス速度は速い。
どちらが良い悪いというものではなく、Windowsはフラグメントを犠牲にして平均アクセス速度を優先し、NASは平均アクセス速度を犠牲にしてデフラグ不要という仕組みを優先した、ということだ。

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